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おぎりんのblog♪CODAのはなし

2023.10.02

カテゴリー:BLOG


9月14日、甲子園球場が歓喜のうずに包まれました。阪神タイガースが18年ぶりにセントラル・リーグで優勝したのです。2リーグ分裂以後、6度目の優勝を味わう事ができました。1962年、64年の優勝時は、まだまだ子供でしたから1985年の21年ぶりの優勝は感動でした。わたしはちょうど結婚直前で、まだ両親と一緒に大阪で暮らしていました。弟夫婦は当時名古屋在住でTV中継がないということで、大阪に帰ってきて、家族皆で優勝の瞬間を見届け、ミナミへ繰り出したものです。2003年の星野監督時も18年ぶりで大きな感動がありました。その後2005年にも今回と同じ岡田監督で優勝し、少なくとも数年おきには優勝するものだと思っていましたが、18年かかりました。

今回の優勝では岡田監督の優れたマネジメントが優勝の要因として高く評価されています。もちろんそれは正しい評価ではありますが、矢野前監督、金本前々監督のドラフト戦略が優れていたことも大きな要因だと思っています。1985年時のバースのような外人選手がいたわけでも、2003年時の金本選手のようなFAで獲得した選手が活躍したわけでもありません。

レギュラー陣のほとんどが生え抜きの選手です。一年を通して4番打者の重責を担ってきた大山選手など、当時の金本監督が1位指名した時には、多くの人たちがなぜ有望な投手を指名しないのかと非難の嵐でした。結局そのときに名前の挙がっていた投手たちの内誰1人として、その後一線で活躍していません。

プロ野球チームも厳しい競争において栄冠をかちとるためには、長年の人材獲得と育成があってこそ、優れたリーダーの登場で花開いたという事です。我々のようなNPO含め、組織、企業で成果を上げるためには、人材の獲得と育成の重要性は同様です。持って肝に銘じたいところです。

 

閑話休題。

タイガースの話題が長くなってしまいましたが、今月はCODAがテーマです。

CODAとは。

Children of Deaf Adultsの略称で、耳が聞こえない、または聞こえにくい親の元で育つ子供の事です。両親とも、もしくはいずれかがのう者、難聴でも聞こえる子供はCODAとされます。

9月23日は手話言語の国際デー。それにちなみ、「CODA愛のうた」という映画を上映、ご自身CODAである、手話で育ち、ろう者と聴者が共に生きやすい社会を目指して活動しているNPO法人Silent Voice代表理事の尾中友哉さんのトークショー、更に本日の参加者全員を含めた懇親会での情報交換というイベントに参加してきました。

まずこの「CODA愛のうた」という映画ですが、観るのは実は3回目でしたが、またまた泣いてしまいました。2022年度のアカデミー賞作品賞で封切り時に観て、その後WOWOWでも観ました。助演男優賞を獲得したお父さん以下、役者が素晴らしいし、音楽も選曲のセンスが抜群に良いです。主人公の両親役2人と、お兄さん役の3人とも実際にろう者です。

ストーリーはCODAである娘が唄に目覚め、音楽教師からも認められ、音楽の名門大であるバークレー校に進学したいが、家族は娘の唄が良いのかどうかが分かりません。もしかして下手クソだったらどうしようと心配するばかりです。というようなCODA特有の悩みをたくさん抱えた高校生の娘が主人公。高校でのコンサートのシーンが最も印象的ですが、バークレー校の入試における歌唱も感動的です。

この映画は何度も観ても素晴らしいのですが、尾中代表理事のトークとワークショップ(実際にゼスチャーだけ意思疎通を図る)も新たな発見がたくさんありました。わたし自身、ユニ・チャーム在籍時に聾唖者の部下が複数いましたが、彼らのおかれている状況にそったコミュニケーションがはかれていなかったなあと反省しきりです。いまさら手遅れではありますが。

また、複数人がいる環境で何か、突発的なことが起こった際に、ろう者は途中経過が知らされず、結論だけを伝えられるケースが大半だそうです。言われてみればそうなのですが、確かにみなが慌てるような状況だと、普段はろう者に対して意識してコミュニケーションをとっていても、その際には出来なくなりそうです。

今回のイベントにものすごく弱視の方が参加されていましたが、ろう者のほうが災害など突発的な状況では対応が難しいようなこともおっしゃっていました。とはいえ、視覚障害者も災害時には大変だとは思います。

ママプラグでは、防災啓発に長年取り組んできましたが、視覚や聴覚に障害のある方々とどのようにすれば安全が確保できるのかという観点での取り組みは不十分です。

まずは、そのような方々の生活ぶりや悩み、苦労などを知るところからかと思います。

今回鑑賞した「CODA愛のうた」も素晴らしい映画ですし、ちょっと古いですが1961年の高峰秀子さん、小林桂樹さん主演の「名もなく貧しく美しく」という東宝映画も戦後の実話がもとになっており、とても素晴らしい作品です。配信等でご覧いただけると思いますので、是非ご覧ください。

以上。