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おぎりんのblog♪お客様志向を忘れては…

2024.05.01

カテゴリー:BLOG

先日、もう20年以上行きつけの床屋さんに行ったところ、その女主人からいきなり、「お客さんから津田沼駅の“緑の窓口”が無くなったって聞いたけど、緑の窓口が無いと、あたしたちは切符をどこで買えばいいのよ。」と言われました。

津田沼駅というのは、千葉県習志野市にあり、一部船橋市にまたがるJR東日本の総武本線の駅。県内では船橋、西船橋、柏、千葉の各駅に次ぐ乗降者数において第5位です。したがって決して小さな駅ではありません。ここ数年JR東日本が緑の窓口を減らしてきているのは知っていましたが、津田沼駅で廃止とはさすがに驚きました。

さらに、「あんたよく大阪へ帰っているけど、その切符はどうしているの?」と聞かれました。「それはもう、切符など買いに行かずにこれで」と、iphoneを見せました。「このEXアプリというので買えば、いちいち発券せずにPASMOでもSUICAでも最後まで乗る事が出来て、とても便利なのよ。」と説明したのですが、「PASMOとかSUICAにいっぱいチャージするのか?とか、どうやって事前に列車や席を指定して買う事ができるのか?」等々、質問が山のようにとんできました。

で、実際にアプリを起動して説明しました。が、ほとんど理解は出来なかったようで、「そんな事を覚えている間に買いにいったほうが早い。」とのたまうので、「昔は年末年始やGW時には1ヶ月前に、わざわざ新浦安とか西船橋まで行って自販機で購入していたが、往復時間もその駅までの交通費もムダ。」と言うと、渋々納得した様子でした。しかし、まずスマホの訓練から必要なので、どちらにしても出来ないという結論になりました。

 

ということから、少し気になって、JR東日本の緑の窓口削減について調べてみました。緑の窓口の削減はJR東日本だけでなく、JR各社が実施していますが、東日本では、2021年に当時の深沢社長が2025年までに7割削減すると、記者会見で発表。結果、みどりの窓口が残っている駅に人々が殺到。特に新学期や新社会人のスタートを控えた3月から4月にかけては定期券購入者も加わり、大行列となっています。

しかし、自動券売機があるじゃないかと言う方々がおられるかと思います。わたしも、当日発券の際などは、まず自動券売機に向かいます。新幹線や一般的な特急券、乗車券などは、この券売機で事足りてしまうからです。ただし、さきほどの床屋さんのような方だとアプリどころか、券売機でも難しいようです。また定期券も事前にPCなどで「NETde定期」を利用すれば、券売機で受け取れますが、通学定期券は購入・受取の際に学校が発行する「通学証明書または「通学定期券購入兼証明書」が必要なため、みどりの窓口での対応が必要となります。

また話せる券売機なるものも、設置されているようですが、行列を並んで、自分の番にきてもなかなかオペレーターにつながらないなど、課題が多いようです。

以上のような事から、通常の時以上に、3~4月にかけて、みどりの窓口が残っている駅に人々が殺到。大行列とそれに疲れた人たちの怒号が発生する事になってしまっているようです。

また、もともと券売機で対応できる範囲と、みどりの窓口に設置されている機械とでは、その能力にかなりの違いがあるようです。例えば、事前に購入していた切符の変更、また特急券と乗車券を巧みに組み合わせた、やや鉄道マニアチックな購入の仕方などは、券売機では出来ないようになっています。やはり航空機のチケットのようなシンプルな経路だけではないですから。

 

こうした事も含め、お客さんからの苦情やイライラした感情のぶつける先はすべて駅員さんになります。わたしが駅員なら、毎日毎日、お客さんの苦情にさらされ続けたら、とてもではないですが、「わたしは懸命に対処しているのに」という“ノニ人間”になり、画一的な決まり切った対応しかしなくなり、お客さんに喜んでもらえるような工夫はしなくなるように思います。

こういう大行列や苦情、お客さんも駅員さんも共にイライラの状況をJRの幹部の人たちは現場に行き、実感しているのでしょうか?それこそ、一度自分たちが駅に足を運び、切符を買ってみたら良いのです。1時間も並べば、なんという事をしてしまったのだろうと思うはずです。実態を体感しているのであれば、もう少し違うやり方を検討したはずです。

 

そもそも、国鉄からJRとして分社・再スタートしたのは、お客様指向にたったサービス向上が目的であったはずです。当然そこにはコストダウンや効率化というテーマは並行して実行されるべきことではありますが。

現在までのJRのサービスレベルをみると、そのレベルを向上させようというかけ声はあるのかもしれませんが、実態としてはお寒い限りです。もちろん、コストダウンをはかり、この円安の中、運賃値上げにならないように、取り組み続けてもらわないと困りますが、経営幹部と現場の距離感が遠い状況では改善は難しいように思います。

 

以上。