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おぎりんのblog♪間違いを認めない人、謝罪しない人
2023.08.07
カテゴリー:BLOG
「人はミスをするものだ、間違う事があるのだ。だから、ミスをしても、間違えても安全な生産設備、生産工場にしなければならない。」という事をユニ・チャームの人事部長時代に労務案件に関するご指導をいただいた弁護士さんに幾度となく聞かされていました。
気をつけないからだ、集中していないからミスが起きて労働災害が発生するのだという事ではなく正にあわてても、事前段取りどおりに作業出来なかったという最悪の事態でも、ケガをしないような生産現場にしなければならないと言うことです。
生産現場だけでなく、他のあらゆる職種・職場でも、どんな優秀な人であったとしてもミスをするし、間違いを起こすということかと思います。そして間違いを素早く発見し、その原因を追及した中で、改善する、改めるという事が肝要です。
その改善につなげる事においては、まず間違いやミスを認める事が起点になります。そして、その事により、他者に迷惑や悪影響を及ぼしているでしょうから、原因自分論で追求し、迷惑を被った人たちに自身の責任を認め、謝罪し、今後の改善内容を伝えるというのが大切です。間違いを認め、謝罪する事は、人として起こりうる事であり、その後の改善につながるのであれば、何も恥じる事はありません。失敗事例こそ、今後の改善発展につながる事でもあります。
ところが、この直近、明らかに間違った判断・行動を取り、他者に対し多大な損害・被害を与えたにもかかわらず、間違いを認めず、謝罪もしないという事案が続き、驚いています。
一つ目は、大川原化工機(横浜市)の冤罪事件です。2020年、同社の大川原社長ら幹部3人が「武器に転用できる噴霧乾燥機を中国に不正輸出した」との外為法違反容疑で警視庁公安部に逮捕、起訴されたという事件です。ところが公判直前、東京地検は起訴を取り消しました。大川原社長らは11カ月も拘留され、同社顧問の相嶋氏は拘留停止されたものの治療が間に合わず、胃がんで亡くなっています。現在大川原社長らは違法捜査として、国と都に対し総額5億65百万円の損害賠償を求めています。
その賠償訴訟の証人尋問において、警視庁公安部の刑事から驚きの「捏造告白」が飛び出し、経産省の担当者も何度も警視庁の捜査官に「不正輸出とするのは無理」と伝えていたと証言。起訴取り消しは経産省とのやりとりなどが露見することを恐れたものと推定されています。もう誰がみても逮捕・起訴した事は明らかに間違い、冤罪である事は明白となりました。
しかし、捜査当初から関わり、起訴を仕切った主任検事である塚部貴子検事は、「当時見聞きした証拠を元に起訴した判断が間違いだとは思わない。間違いがあったとは思わないので、大川原社長らへの謝罪はしない。」と言い切っています。この言葉を大川原社長や、亡くなられた相嶋氏の遺族の方々はどう受け止められたでしょうか。
この塚部検事が12年前の大阪地検がおこした村木厚子氏の冤罪事件の際には、起訴事実と合致しない証拠改ざんを指摘した「正義の検察官」と呼ばれた検事だっただけに更に驚きがあります。
この方の「謝罪しない」という背景には、自身をある意味、過大評価。または間違いを認める事で自身の評価を下げる事を恐れ、そのミスを認めたくないという意思が強く働いているように思います。
そして、もう1件。この事案をFBに投稿した数日前からニュースになっていたビッグモーターの兼重宏行社長らによる記者会見が行われました。こちらは、一応体裁として謝罪してはいるものの、現場の社員がやったこと、経営幹部は知らないと、完全に原因他人論に終始。会見の数日前には、社長自ら、メディアは悪意があるとSNSに投稿、炎上し、削除という経緯がありましたが、ほぼスタンスとしては変わっていない印象です。さらに、この社長以上に高圧的で労働基準法など、全く無視したかのような振る舞いをしていた長男の兼重宏一副社長が出席していなかったのにも強い違和感がありました。
一方の図式的には被害者になる損害保険会社各社も同社に社員を出向させており、特に損保ジャパンはのべ37名も出向。また兼重副社長が損保ジャパンの前身の一つである日本興亜損害保険に1年余り在籍していた事も判明しています。これらの状況から保険金ほしさに黙認していた可能性も強く感じます。
で、損保会社はともかく、この兼重親子は、本当に悪い事をしたとは思っていないのでは?と、思ってしまいます。社員は道具であり、降格人事を恣意的に行ない、社業を発展させるためにめちゃくちゃなノルマ設定を無理強いしてきた事も正しいと思っているのでしょう。不正が露見した事は、まずいとは思っているのでしょうが、経営スタイルについての反省は全くなく、顧客に対する本来の意味での申し訳なさが感じられません。
「ゴルフボールで車を傷つけるとはゴルフを愛する人に対する冒涜だ。」などと、全くずれた、コントかと思うような発言をしているのも、その表れでしょう。
先の検事とは違い、本当に間違っていたとは思っていないからこそ、正しく反省し、謝罪をするという事が出来ないのだと思います。
両案件ともひどい事例ですが、決して他人事とは思わず、自身の計画・実行・反省のサイクルにおいても、間違いは間違いとして正しく評価し、反省から改善につなげて行かねばなりません。他人の事は客観的に正しく見えていても、自身の事は案外、見えていない事が多々あります。もって肝に銘じたいと思います。
以上。
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