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おぎりんのblog:トルコ南部・シリア地震で思う事
2023.03.10
カテゴリー:BLOG
このBLOGを始めて、3ヶ月目となりますが、今月もテーマに困らないという、困った事態になっています。国内の様々な問題もありますが、トルコ南部・シリアで大震災が発生し、世界中の人たちがなんとか助けたい、助けになりたいと活動しています。
我々ママプラグでも、これまで培ってきたノウハウを少しでもお役に立てたいという強い思いがあります。
ユニセフの発表では、通学できなくなった子供たちが400万人に上るという見通しで、そのうち35万人はシリア難民の子供たちだということです。特に親と離れてしまった子供たちが多く、また強い地震を経験したことによるメンタルな課題に対して、SNSを通じて、情報提供を進めようとしています。イラストの多用で理解促進を図り、文化・風土の違いを乗り越えて活用していただくよう、努めています。これらの活動については、別途ご紹介させていただけるかと思います。
わたし個人としても、すぐさま出来る事として“国境なき医師団”を通じて、少額ではありますが、寄付をさせていただきました。モノは現地まで、また現地での物流状況を考えると、いつ届くか?という事があり、現金での支援としました。
トルコ南部で2月6日に発生したこの大地震で確認された死者の数は、シリアと合わせ、2月25日現在、すでに5万人を超えています(BBCトルコ政府発表)。倒壊した建物の多さが、被害を拡大するとともに、救助を難しくしている事が大きな要因と思われます。
確かに、最初の地震がマグニチュード7.8、続いて同7.5と、非常に強い地震が連続して発生したことが要因であることは間違いありません。
しかし、皆さんもニュース映像でご覧になったように、建物の壊れ方が半端ではありません。倒壊の仕方がただごとではない感じです。レンガが多用されるとか、建て替えが少ないとか、歴史的あるいは風土の問題はありますが、なんといっても耐震基準に対する実際の運用の緩さが大きな原因です。不動産評価会社IGDアメフト・ビュユクドゥマン氏は建物の半数以上の1000万棟以上が1998年の基準すら満たしていない可能性を指摘しています。何故このような事になったのでしょうか?
元々この地域は地震が多く、当然建物に対する基準は厳しくされているはずです。1999年8月のイズミット地震はトルコ北西部で発生し、マグニチュード7.6でした。1万7000人余りが亡くなり、60万人あまりの人が家を失いました(日経:トルコ当局発表)。それを受け、2004年に新建築物に最新の耐震基準を義務化しました。ところが、あろうことか、罰金を払いさえすれば建築基準を満たしていなくても容認するという、とんでもない政策を運用したのです。
今回の地震を受け、トルコ政府は建築業者200名近くに逮捕状をだし、実際に拘束もしています(NHK:トルコ司法当局)が、支援や復旧作業の遅れに対する不満とともに政府に対する反発も大きくなっているのも当然の事態だと思います。
地震を防ぐ事自体は、難しいですが、被害をできるだけ少なくする努力は続けられるべきです。建築基準を厳しくしても、緩い運用をするなど、逆に被害を大きくする行為です。少し、歴史をふりかえるだけでも、先人たちが残した災害に対する知恵があります。それらを学びつつ、被害の縮小や、被災後の様々な対応やメンタルケア、今まで比較的軽んじられてきたパーソナルな対策など、まだまだ努力すべき余地は多くあります。
その際に留意すべき事は、思い込みの排除です。
きっとこうなっているはずだという思い込みです。この地域は水がそんなにつかった事はないから、今度も大丈夫だとか、生まれてこの方、この地域は大きな地震は来ないというような思い込みです。1990年前後、企業のホストコンピューターを関東圏から西日本に移転する事がトレンドになっていた記憶があります。当時から関東圏の震災脅威が語られる中、西日本は安全だという思い込みがあったからだと思います。そんな中、発生したのが、阪神淡路大震災です。
この例に対し、非常に卑近な例で恐縮ですが、先月8日に憩室炎を発症し、深夜に病院に駆け込むという事がありました。日中から違和感があり、少し痛みがありました。しかし、昨年11月末に尿道結石で大変辛かったのですが、その際の痛みと酷似していたため、完全に「また結石だ!」と、思いこんでいました。冷静に考えれば、結石なら痛みの箇所が動くはずが、同じところしか痛まない、血尿も全く出ていないので、疑うべきでした。
病院で比較的早く問診して頂いた際も、「しつこく質問しないで、早く痛み止めを」と、思っていましたが、CTを撮る、血液検査をするという事になり、憩室炎という診断でした。結果、痛み止めと構成物質の服用により、1週間ほどで回復する事ができました。非常に痛みが強くなったので、病院に駆け込みましたが、あのまま我慢して、翌朝泌尿器科に行っていたら、どうなっていたことか。思い込みを排して、対処する事の大切さについて、身をもって認識しました。
防災の観点でも、思い込みを排した対処をする上で、日頃から様々な被災状況を想定した対処法を日頃から学んでおくこと、また訓練しておくことが肝要だと思います。そして、それを継続する事が大切です。
2011年の東日本大震災から12年の歳月が流れましたが、本当にその経験を活かしてきたのかをよくみて、将来につなぐべく、わたしたちは皆様と一緒に継続努力に努めて参ります。どうぞ、よろしくお願いいたします。
以上。
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