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おぎりんのblog♪つもりの自分と傍目の自分
2024.06.01
カテゴリー:BLOG
先月、千葉県でもJRの駅で5番目に乗降客数が多い津田沼駅のみどりの窓口が無くなってしまって、「あたしたちはどこで切符を買ったらいいのよ?」という床屋の女主人の話から始めました。その出来事から、みどりの窓口削減政策はJR東日本がお客様指向を忘れた結果ではないかと書かせていただきました。
と、まさに言わんことではありません、JR東日本喜勢陽一社長が5月8日の定例会見でみどりの窓口の削減方針を凍結する事を明らかにしました。元々3年前に440の駅にあったみどりの窓口を140程度に削減する方針で、現在209駅まで減らしていますが、当面はいまの状態を維持するという事です。先月、書かせていただいたとおり、3月末から4月はじめにかけての定期券購入者や訪日外国人の増加で、激しい混雑が発生。多くの利用客からの苦情が寄せられたためとしています。
3年前といえばコロナ禍により乗客減が目立ち、コスト削減が至上命題であったことは想像に難くありません。それが、今年は大型連休の利用状況がコロナ禍以前の95%に回復してきた事からわかるように利用客の増加で、今回の混雑が引き起こされた事は事実です。現象面としては、その通りなのですが、根本的には、JR東日本そして他のJR各社ともに、自分たちの思いと、利用客を始めとする周囲からみたJRに対する思いのズレが引き起こした事のように思います。
まず、先月も書かせていただいたようにお客様指向を忘れているのでは?という事です。コスト削減は当然実現していかなければなりません。しかし、これまでの方針とその実行内容をみると、券売機を使えない人たちはお客様でなくなって良いと思っているかのようです。さらに言えば、今回の記者会見での喜勢社長は、お客様へおわびし、削減方針を凍結する事を明らかにしました。しかし、今回の混乱を改善する方策は示されていません。同じ状況であれば、一旦廃したみどりの窓口を何駅かは復活させなければならないはずです。もしくは券売機等の扱いやすさを向上させる必要があります。残念ながら、とりあえず現状をしのいでいくことしかうかがえません。そもそも券売機や話せる券売機などを増やしてきたから、お客様に対するサービスは低下していなというつもりの自分が傍目の利用客からみた自分と違っていたということをよく考えて欲しいところです。
旧国鉄からJR各社になり民間会社になりました。したがって営利を追求していくのだ、だから上記のように窓口でしかキップを購入できない人たちは、コストを増加させるだけだから切り捨てても良いとはならないはずです。民間会社になったとはいえ、公共交通機関の大きな柱としての役割を忘れてはいけないです。
つまり、民間会社としての「つもりの自分」と、公共交通機関であるという「傍目の自分」の乖離が大きくあるように思うのです。公共交通機関としてのJRという事を本当に思っているならば、先にみどりの窓口を減らすのではなく、券売機の使い勝手を改善し、窓口利用者が実質的に減少したという結果を待ってからの削減に転ずるべきであったと思います。
またこの乖離もトップ層だけの問題で、現場で顧客と直接接している社員たちとはかなり違っているのかもしれません。現場の社員たちは急激に窓口を減らす事のリスクに気づいていたのではなかったのでしょうか?そのような危機感が上層部に伝わらない、もしくは言えない風土になっているとしたら、今回のような問題はまた繰り返されるように思います。
つもりの自分と傍目の自分の乖離は、企業だけでなく、社会人としての自分も、私人としての自分にも起こります。以前のBLOGにも書きましたが、どんな凄いプロゴルファーにもコーチがついているという事実、まさに自分で自分の事はなかなか分からないからです。
わたしが行っている「おっさんレンタル」でも、時々、わたしとのセッション後に、こんなに他人とコミュニケーションがとれるとは思っていなかったという方がおられます。自分はコミュ障だ、他人との会話が苦手だと決めこんでしまっておられるような方です。こういう方々は、つもりの自分での思い込みがご自身の成長などを制約しているケースです。JRとは逆に傍目からみると、能力があるのに、自身で制限してしまっているということになります。
いずれにしても、つもりの自分と傍目の自分のギャップをうめるには、コミュニケーションする事がもっとも有効な手段です。利用客とのギャップがおきたJR各社はまさに利用客がJRをどう思っているのか、正しくコミュニケーションしなければならないと思います。
以上。
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