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おぎりんのblog♪デマとそれを信じる人

2025.08.05

カテゴリー:BLOG

参院選が終わりました。結果は皆様ご存じのとおりです。

 

わたしは満72歳。もう半世紀以上選挙に行き投票してきました。その長い歴史の中でも、今回の参院選ほどデマ・嘘が流布された選挙はありませんでした。しかもそのデマや嘘を信じて投票行動に表してしまった人の多かったこと。詐欺が無くならないはずだ!というのが率直な感想です。

 

今回の投票行動での特徴の一つが、ほぼ初めて選挙に行ったという方が多かった事です。しかも若い方なら当然初めてという事も多いでしょうが、結構いい年というか40代や50代で初めてという方が多かったようです。

その結果投票率が58.51%。前回参院選の52.05%から6.46ポイントも上がりました。翌日の開票結果を見て開票に不正があったなどとX(旧ツィッター)に投稿して暴れている人たちが少なからずいました。よくよく確認すると、参院選が半数改選だと知らなかったというようなびっくりするような事もありました。このように、初めて投票した方達が、政治も社会もよく分かっていない中で投票したのであれば、投票率が上がった事を素直に喜べないという評論家まで現れました。

 

この件については、後ほどふれたいと思いますが、今回のテーマであるデマとそれを信じてしまった人が多数いたことについて述べたいと思います。

今回、非常にたくさんのデマが流布されましたが、最も多かったのが外国人に関するデマです。あまりのひどさに厚生労働大臣が3つの主張に対し、否定するというような事態になりました。

まず一つ目が「生活保護の支給で外国人優遇、中国人受給者数は5年間で2倍に増えた」というものです。これに対し、“中国国籍の保護世帯は2018年度が9059人。2023年度9471人で約4.5%増。倍増の事実はない”

二つ目が「外国人の国民健康保険料の未納額が年間4000億円」というもの。これに対し厚労省の認識は“国全体の未納額が2022年度で1457億円”と全く異なる。

三つ目が、「高額療養費制度で外国人を優遇している」、これに対し、“医療費にしめる外国人の割合は1.39%、高額療養費の支給に占める割合は1.21%で外国人の割合が大きくはない“と全く事実と異なっています。

これらのデマを鵜呑みにして信じてしまった人が日本人ファーストなどというレイシズムに賛同してしまった事が非常に残念です。

 

選挙戦の戦い方としてはSNSを駆使し、非常に上手かったという見方もありますが、本当に許される言説ではありません。政治家ですので、「このような政策を実現します」という公約に対し、結果実現しなかったという形の“嘘”は、残念ながら多くみられるケースではあります。しかし、政策を立てる前提となる情報が嘘・デマばかりという事例は初めての事だと思います。ガンという病気は戦前には、なかったとか、小麦も戦後に欧米から来たとか、外国人関連だけでなく、常識人であればすぐに嘘と分かる事まで言ってしまっています。さらにマスコミも選別、自分達に都合の悪い新聞社に対し、取材拒否。中学生新聞の取材を拒否したのにはあきれてしまいました。

 

しかし、自分たちの生活がよくならない、今後についても不安だという人達にとっては、自分達の不遇の原因を教えてもらったと、納得してしまったようです。また一口に外国人といってもインバウンドの年々増加の一途の観光客と日本に定住し、働き、暮らしている人達との区別もあまりなく、一緒くたになってしまっている方も多いようです。観光客が日本のルール慣習をよく分からず、失礼な態度に接した人などが、「そうだ、やっぱりあいつらのせいだ、俺たちの生活が良くならないのは」などと思ってしまったようです。

 

外国人問題という争点が出てきた事で、残念なのは、わずか3%しかいない外国人の事が議論の大きなテーマになってしまい、これから間違いなく人口減少が激しくなる日本での労働力の不足やインフラの維持改良、災害対策、膨らみ続ける医療費や福祉の費用、国債の格付けダウンに伴う、経済不安や円安による物価上昇等々、重要な問題がほとんど語られなかった事です。そして、外国人問題に加え、バラマキ(支給や減税)の方法論に集中してしまった事です。

 

将来に対する抜本的な課題解決には必ず痛みが伴います。痛みは世代やおかれている状況により、やはり強弱が出てしまいます。その議論をさけた選挙戦だったともいえます。この状況は欧米でも見られる事で、極右政党の台頭という状況につながっています。

 

前半で述べた初めて選挙や政治に興味を持った方々には、「選挙に行っても何も変わらない」ではなく、「選挙に行かないから、何も変わらない」という事を体感されたと思います。その内容については大いに問題がありますが。

 

その上で、過去の歴史、現状、将来という、過去・現在・未来という流れの中で、正しい情報を把握していただき、次回の選挙に活かしていただきたいと思います。もちろん、過去の日本の黒歴史的な事を隠蔽しようとする勢力がいますので、過去についても、正しい情報は何かを真剣に考えて頂きたいです。第二次大戦中の所業について、徹底して教育してきたドイツでさえ、ネオナチが登場。ガザ支援を求める人たちに官憲が圧力をかけるという状況になっています。我々も心して情報を吟味しないといけません。

 

このようなデマの流布とそれを簡単に信じてしまうような事では、万一南海トラフや富士山噴火のような大災害がおきた時の対応が非常に心配です。核武装が最も安上がりだとか、自分達の政策に反対する人を非国民と言ってしまうような輩には、本当に注意して欲しいのです。

以上。