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おぎりんのblog♪暗黙知と形式知

2026.08.03

カテゴリー:BLOG

この原稿をある程度、書き込んだ時点で、熊本で10年前同様の激しい地震が発生しました。震度7という前回同様の強い震度です。前回は同じ震度で複数回発生、その後も大きな震度で何度も発生しました。今回も複数回、初日だけで108回という多数に上っています。またイオンモールでは地震発生から1時間半後に爆発がおきました。買い物客は地震発生に伴い、従業員が迅速に避難させていましたが、従業員の方5名の死亡が確認されています。LPガスが何らかの形で漏れていたことが原因と思われます。

被災された方々には、おかけする言葉もありません。また、ただでさえ、温暖化による暑い夏の真っ盛りに発生しており、停電、断水等の地域の皆さんはご自宅でも、避難所でも非常に厳しいものとなっています。そのため車中泊を選択されている方が目立ちますが、ガソリンの在庫や、スタンドでの長い行列、車中泊特有の疲労等々、問題もたくさんあります。

まだ不明点も多くあり、今回の震災に関して調査し、研究する必要がありますので、被災者の皆さんが少しでも救われるように祈りつつ、次月にまた筆をとりたいと思います。

ただ、今回も地震や爆発は人工のものだとか、避難所で豚汁は出されなくなったなどと、デマがSNSに書き込まれています。デマの流布だけは絶対にやめていただきたいと思います。

 

<暗黙知と形式知>

タイトルだけをみると、えらくビジネスライクな格式ばった文言に聞こえるかもしれません。しかし、実は、我々の日常においても、この考え方に基づき、実行すると解決できる事が少なからずあります。ハンガリー出身のマイケル・ボランニーという哲学者が提唱者ですが、ビジネスで広く普及させたのは、経営学者の野中郁次郎さんです。

 

初めて実際に野中先生の講演を聴いた際、事例にされていたのは、プロ野球における長嶋さんと野村さんとの比較でした。例えばバッティングを指導するとき、長嶋さんだと、「ビュツと振ったらいいのだよ・・」みたいな説明で、野村さんだと、論理的に「どういうボールをバッテリーは選択し、こういう風に投げてきたら、身体をこのように使って・・・」と、教えるというお話しでした。

当然、長嶋さんが暗黙知で、野村さんが形式知です。つまり暗黙知は言葉や数値で表せない、個人の経験や勘、コツに基づく知識であり、形式知は文章、図、数式などにより、客観的に表現・共有できる知識です。

 

何故、今回このテーマをあげたのかというと、わたしが毎月受講しているカホンという打楽器のグループレッスンでのある出来事があったからです。カホンというのは、木製の箱形で、上面に座り、手で中央をたたくと、低音が。上面の端などをたたくと高い音がでるというシンプルながら、非常に使い勝手の良い打楽器です。

受講するようになったきっかけは、わたしが津軽三味線の名手である上妻宏光さん(青森県以外の出身者で初の津軽三味線競技会優勝者)のコンサートに長男を同行。ピアノとエレクトリックベースそしてパーカッションのトリオと演奏されていました。素晴らしいコンサートであったのですが、終了後、長男が打楽器をやりたいと言い始めました。ちなみに彼は、クラシックのマンドリン奏者でアマチュアながら、複数の学生マンドリン部を指導しているような奏者です。その上妻さんと演奏していたパーカッション奏者のはたけやま裕さんの演奏に魅了され、自身でも演奏したくなったようです。

そのはたけやま裕さんというと、陽水さんのバックや桑田バンド、由紀さおりさん、加藤登紀子さんと、そしてシシド・カフカさん率いる打楽器集団el tempo等々で演奏している超一流のパーカッショニストです。

 

2017年12月のレッスンから長男がこのレッスンに参画。翌月の2018年1月からわたしも参画しました。なので、もう8年あまり受講している事になります。かくいうわたしも中学生時代の吹奏楽部に始まり、中学3年生からギターも弾き始め、高校から大学にかけていくつものバンドを掛け持ちしながら、自身でも曲を書いて唄ってという経歴なので、ドラムセットをたたいた経験も。そのためカホンという楽器は本当にシンプルなので、正直簡単だろうとなめていました。

が、あにはからんや、なかなかに奥が深い楽器でした。はたけやま裕先生のレッスンは非常にわかりやすく、実際に目の前で実演いただけるので、もっと簡単にマスターできるものと思っていましたが、なかなかそうはいきません。だからこそかもしれませんが、この長い期間継続して参画してきました。

 

しかしながら、寄る年波もあり、記憶力はかなり落ちてきています。そのため、レッスンを受けて、指導いただいた事は、必ずi-phoneのメモ機能を使ってメモっていました。そういう中、先日のレッスンに新しい方が参画されていました。新しい方が参画される回には、必ず裕先生から、叩き方の基本について、メンバーに質問がとびます。先述したように、低音、高音それぞれの叩き方の基本があります。その中にスラップというアクセントをつけたい、強調できる叩き方があります。その時の基本について、わたしに質問が。その際に一瞬忘れていましたが、i-phoneのメモをカンニングして答えたところ、その様子をみていた、隣にいたメンバーから、「あっ、ちゃんと書いてある。それは凄い。みんなにも共有して!」と、声がかかりました。

 

わたし自身、そんなに几帳面でもないのですが、レッスンで学んだ事は、概ねメモをとっていました。そのメモを項目別に見出しをつけて、グループレッスンのサイトで共有したところ、とても高い評価をいただき、本人が驚くほどでした。その日の新人の方からは「神ですか、本当にメモしきれない盛りだくさんの内容を言語化していただき感謝します」と。他の以前からのメンバーにもコピペして練習します等々の評価を。そして裕先生からも、若干のフォローと共に評価をいただき、とてもうれしかったです。

 

で、「そうだ、これはまさに暗黙知の形式知化だ!」と思いいたったのです。楽器演奏は芸術の分野であり、感覚的なものだというように思われるかと。しかしながら、よっぽどの天才でもない限り、ただただ耳で聴くだけでは、良い演奏はできません。ピアノでもギターでも弦楽器でも管楽器でも、打楽器でも、基本があってそれを繰返し巻き返し練習する事で、思うような演奏が出来るようになります。もちろん、歌唱や舞踊などでも同様かと思います。ただただ感覚的に思っているような事を繰り返すと、変な癖がついて、かえって上達の妨げになります。これは冒頭に述べた野球などのスポーツでも同様かと思います。

 

仕事でも同様で、寿司屋さんの職人さんなどは、今は変わってきているかもしれませんが、先輩や大将の握っている姿をみて覚えろというスタイルだったかと思います。わたしが勤めていたメーカーの工場における技術者も、昔はまずほとんどの技術者が人間と話すより、機械と話しているほうが良いという感じで、自身のノウハウを後輩に教えなかった(もしくは言語化できなかった)ように思います。その後生産部門でもマニュアル化がすすみ、基本からきっちりと研修し、現場と融合させながら、生産技術を改善してきました。

 

ビジネスの形式知化では、SECIモデルというのがあり、それにそってすすめます。今回のレッスンにおけるわたしのメモは、最初のS(Socialization共同化)経験を共有し、暗黙知を暗黙知として伝達というプロセス(毎回のレッスンでの学び)を次のE(Externalization表出化)、つまり基本的な手や腕の使い方を言語化するところまできたという事かと思います。

 

今後もレッスンに参加し、ちゃんと学んだ事を家でも練習し(これがなかなか出来ない)、メモに頼らなくても身体に覚えさせるところまで、頑張りたいと思います。それでこそ、これまで書き止め、整理してきたメモが本当に役に立つという事かと思います。